第8章 過去との決別
目が覚めると、見慣れぬ天井
そう言えば昨日から合宿だったなと思い出して、時計をチラリと見る
時刻は7時少し前
寝すぎたなと頭を掻きながら、洗面所で顔を洗い歯を磨く
サラシを巻いてジャージに着替える
朝食は7:30から、朝練は8:30からだ
階段を降りる前に足を止めた
いや、大丈夫だろう。うん。
赤也が起きているか心配になり悩んだ
時間が勿体無いし、見に行ってみよう
腕時計を確認すると7:15
慌てて赤也の部屋をノックする
「あーかーやー、いーるー?」
…………。あ、寝てるわコレ
勝手に扉を開いて中に入れば、腹を出しながら爆睡している赤也を発見
開けっ放しの扉の外で真田先輩の声が聞こえた
真田「む?吉野か?」
振り返り、挨拶をしてから呆れ顔で赤也を指さす
真田先輩はそれを見て盛大なため息をつくと、同じく中へ入ってきた
私に小声で耳を塞いでいろと言うと大きく息を吸った
慌てて耳を塞いだ
真田「赤也!!!!いつまで寝ているつもりだ!!!たるんどるぞ!!!!!」
耳を塞いでいる私でも凄い破壊力で頭がキーンとする
耳元で直に受けた赤也は慌てて飛び起き、頭を抑えている
切原「真田先輩、声でけーっすよ!!」
頭を抑えて項垂れている赤也にさらに追い討ち
「1分でも遅れたら朝食抜きね」
私はさらっと言うと真田先輩を連れて赤也の部屋を出た
腕時計を確認すれば7:22
二人で食堂にたどり着いたとき、後ろから高速で走って来る赤也を見て
間に合って良かったねと思わざるを得なかった
食堂を覗けば、みんな既に揃っている
全員が揃ったところで跡部家メイドさんが食事を並べてくれた
そして豪華すぎる食事をとった
忍足「さっきの真田の声、ここまで聞こえたんやで?」
その言葉で食堂は大爆笑の海に包まれた