第7章 女帝
「嬉しい限りです。この合宿がより楽しみになりました」
私は安堵し、胸を撫で下ろした
切原「俺がいた意味は…?」
彼も心配損だ。心臓によろしくない。
私としてはいてくれて本気で助かったけど
真田「ああ、それは別件だ。明日でも良かったんだが、話すタイミングがあったから今言ってしまおうと思ってな。」
「「…………?」」
私達は再びキョトンとする
別件?
真田「二人が幼馴染みだと言う話は聞いた。そこで、明日の練習試合でペアを組むのはどうだろうかと」
なるほど、納得だ
本当に明日でも良い案件だ
切原「げ。まじかよ…。こいつと組むと頭ん中読まれてるみたいで落ち着かねーんすよ…」
何故か嫌そう
真田「尚、良いではないか。」
何がダメなんだと問いたそうな目をしていらっしゃる
「俺は構いませんよ。赤也とのダブルスなんて久々ですから」
尚も嫌そうな目で見ないでくれ赤也
真田「では、決まりだな」
切原「俺の意見は!?!?」
彼に拒否権はないらしい
可哀想だが私はやりたいのだ
幼馴染みに戻ってから一発目のダブルス
そこでふと数日前の約束を思い出した
“一度だけだ”
彼の声が頭の中でリフレインしている
別に忘れていたわけではない
その貴重な一回をどこで使うかが問題だなと思っていた
ぼんやりと思い出していると部屋の壁掛け時計が目に入る
時刻は消灯時間手前
「あ、長居してすみません。そろそろ消灯時間ですし、戻りますね」
私は赤也の首根っこを掴み、退散する
真田「ああ、引き止めてしまってすまなかったな」
「とんでもないです。お休みなさい、真田さん」
挨拶をしてから扉を閉めた