• テキストサイズ

テニスの王子様*あなたに憧れて*

第5章 私は幼馴染みとキスをしました


――海堂side――

「おい」

「………」

まただ。

何度声をかけても上の空

切原の部屋から出てきてからおかしい

涙といいミーティングの上の空といい、何があったのだろうか

何も相談してもらえないことに腹が立つ

こいつが転入してきてから数ヶ月

それなのに俺たち、いや俺にとって大事な仲間になっている

ただ後ろから見守ることしか出来ない自分に腹が立つ

そんな気持ちを持ちつつ後ろから階段を降りていた時だ

前を歩いていた真琴が踏み外した

俺は急いで腕を引っ張るも持ちこたえられず

真琴を抱えて転がり落ちた


「海堂、打ち身やと思うけど頭痛かったりせえへんか?」

忍足さんの声で我に返り首を横に振る

正直打ち身の痛みのみで大した怪我はしていない

ふーっと深呼吸し、目を閉じる

少し目を閉じて休もう

痛みが軽減したらすぐに練習に行かなければならない

「なぁ」

忍足さんの声が医務室に響く

これはどちらに問いかけているのだろうか

「自分、ほんまは女の子だったりせえへん?」

とんでもねえ言葉が出てきやがった

誰に聞いてんだ?俺か?俺なのか?

実は頭打ってたのか俺!?

プチパニックを起こしているともう一人から声が上がる

「え…?」

どうやら俺に発したわけではないらしい

当たり前だが

だとすると真琴に?なぜ?

忍足「泣いた時の上ずった声といい、一人称が私になったことといいそんな気がしてならんねん」

私…?

確かに真琴は私なんて言わない

どういうことだ?真琴は答えねえし

忍足「あー、言えへんわな。」

どうやら返答に困っているらしい

俺はこのまま聞き続けていいのか…?

/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp