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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第1章 新たな場所で




去年の夏
私が通っていたのは立海大附属中学校
そこでテニスをしていた。
普通1年生は球拾いや、雑用などをやる。
基本的に半年感はラケットを持たせてもらえない。

だが私は、小学生時代の試合の成績を評価され
入部早々練習や試合が出来た。

もちろんそれは先輩にも同級生にも妬まれるだけで
強さを認めてくれる人は居なかった。

女のそういうことは許されないらしく、
先輩には「一年のクセに生意気」
同級生には「ちょっと上手いからって…!」
と罵られ、何度も何度も嫌がらせを受けた



試合のオーダーでは必ずシングルス1
そして、負けなしだった私の二つ名は
――――女帝。

私が欲しかったのはこんな称号じゃない!
ただただ強くなりたかった。それだけだ。



それでも人の世は非情である。



ある日の放課後、私は無実の罪を着せられた。

「おい、吉野。これ、どういうこと?」
三年部長の新井先輩が自分のラケットとユニフォームを私に見せてきた。

「――――!!!」
私はその無残な物を見て凍りついた。

恐らくペンチで切られたであろうラケットとズタズタにされたユニフォーム。
そして汚い字で書かれた“下手くそ”の文字

一体誰がこんな事を…?
私が一瞬考えていると新井先輩はラケットとユニフォームをこちらに投げつけ、私の胸倉を掴んだ。

「すっとぼけてんじゃねぇぞコラァ!汚ねえ真似しやがってよ!!!!」

「え…?」

頭が回らない、何を言っているの?
「私に下手くそなんて言えるのはおめえしかいねーだろうがよ!!!!クソッ!!!」

ああ、ハメラレタ

「女帝だか何だか知らねぇけど!!てめえの所為で部の空気が悪くなってんだよ!!」

先輩が鬼の形相で怒鳴り散らし、手に握り締めていた紙をこちらへ投げた。

恐る恐る紙を開くと “退部届け”の文字

「さっさと居なくなれよ、吉野」
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