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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第3章 合宿までの3日間


なんとかミラーハウスを終える

「二度目はごめんだな…」

と二人で苦笑しながら、次を目指す





お化け屋敷

海堂は物凄く不快そうな顔をしていた

こいつが怖がりなのは知っている

「目、瞑っててもいいよ」

と言うが、“うるせえ”と返ってきた

「はーい、二名様ごあんなーい」

スタッフの声と共に中へ入る

薄暗く寒い。雰囲気バッチリだ


実は私も怖いことは苦手

お化け屋敷、肝試し、ホラー映画

どれも嫌煙しているので全く耐性がない

隣を見ると、海堂はもっと苦手そうでブルブル震えている

ここは私が先陣を切るしかあるまいのだ

手錠の上から海堂の手首を軽く握り

「行くぞ」

そう虚勢を張りながら前へ進んだ

だが、レベルが高いと噂されているだけのことがあり怖さは増すばかり

海堂の手首を握る手に、少しずつ力が加わる

「いてっ」

海堂の間抜けな声が響き、我に返った

「あ、悪い!つい…」

ぱっと手を離し、逆の手で患部をさすり

「ごめん、痛いか?」

そう尋ねると、なんだか不思議な顔をしながら首を横に振る

「真琴が一瞬女に見えた」

と、何とも意味深な事を言いつつ手を握られた

「え?え?」

戸惑いを隠しきれない

バレたかとヒヤヒヤして冷や汗が背中を伝った

「気のせいだろ、行くぞ」

何故かさっきよりは震えが収まっている海堂に手を握られた

温かいなと思いながら、私も握り返す

そして、あまり仕掛けには目を向けずに二人とも早歩きで進んだ

「なぁ、海堂」

声をかけると、なんだ?とこちらを見ずに答える

「このペア対決、もし優勝したら…ダブルス組まねえか?」

握っている手に力が入るのがわかった

海堂がダブルスを組むとしたら、乾先輩か桃だ

一度組んでみたかった

練習試合では組んだことがあったが公式試合で組んだことは一度もないのだ

「構わねえ」

強く手を握り返され酷く安堵した

私は居心地のいい場所を新しく見つけられたのだろうか
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