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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第3章 合宿までの3日間


土手についた私は腕時計を確認する

時計は7:55を指している

芝生の方を見下ろすと既に座って缶コーヒーを飲む海堂がいた

彼は根が真面目だから待ち合わせより早く来ることを知っている

こちらが早く来ることをわかっていて更にそれより早く来る

休日の自主トレで私より遅く来たことなど一度もなかった

海堂の隣まで降り、芝生に腰掛ける

「おはよ。お待たせ。」

海堂はチラリとこちらを見ると少し前に買ったのであろう冷たい缶コーヒーをこちらに投げる

「サンキュ」

彼は必ず、私の好きなコーヒーを買っておいてくれる

ミルクたっぷりのカフェオレ、だが甘さ控えめ

軽く振ってプルタブを開く

「悪かった」

先に口を開いたのは海堂だった

コーヒーに口をつけていた私は出遅れてしまった

「いや、こっちこそ。悪かった。」

再度コーヒーを飲み、また口を開く

「あと、家まで送ってくれただろ。どーもな。ジャージは洗ってるから明日返すよ」

一気にコーヒーを飲み干すと“行こうか”と言って立ち上がる

海堂も立ち上がりゆっくりと呟いた

「お前は青学テニス部の吉野真琴だ。」

そしてスタスタと駅の方角へ歩き出した

私は一瞬言葉の意味を捉えあぐねたが、要は仲間だと言いたいのか

そんな風に自己解決し、小走りで海堂の隣に並ぶ

「ニヤニヤしてんじゃねぇぞ」

お得意のドスの効いた声で言われ睨まれるが、全く気にならない

朝見たメッセージもあり、自分は青学にいていいんだよなと再確認した

きっと私の居場所はここでいいのだ

「遊園地たのしみだなー」

私の気分は最高潮になり、それに呆れてついてくる海堂と電車に乗って集合場所を目指した
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