第2章 勝利のために
「おい吉野」
私の後ろにいた海堂が隣に並んで走っている
自主トレのことだろうか?
「んー?明日自主トレ予定だったか?」
確認も取らず明日の予定を埋めた事を早くも後悔する
私は自主トレを続けるにつれ、海堂への憧れを増していた。
遊園地と自主トレを天秤にかけたら断然自主トレを選ぶほどに
「いや、明日は俺も一緒に行く。明後日、ラケット持って来い」
普段の自主トレは主にランニングや筋トレがメインなのでラケットはあまり持ち歩かない
「ストリートテニスやりに行く」
海堂は話は終わったとばかりにスピードを上げていってしまった
「おっけー」
海堂に聞こえるように答え、私もスピードをあげる
ランニングを終え今日のメニューをこなす
終わると竜崎先生から集合をかけられた
「よし、今日はここまで。3日後は強化合宿だ。
今から日程表を配る。各自、確認をしておくように。
特に集合場所は氷帝学園になるから間違えないように」
「「「はい!」」」
大石先輩が全員に日程表を配る。
「メンバー以外はこっちの日程表だ。
竜崎先生も我々も出払っている為、この日程表通りのメニューで練習する事。
荒井、こちらは任せるぞ」
大石先輩が荒井に声をかけると荒井は嬉しそうに大きく返事をしていた。
荒井よ。来年は合宿メンバーになれよ…。
少し不憫だなと思いつつ配られた日程表を確認する