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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第11章 この景色とアナタの言葉


海堂「遊園地に行った時、お前の見方が変わった。

あん時に言おうとしたのは…

俺はお前に惚れたらしいって事だ」

頬に触れていた私の手を彼が上から包み込む

暖かい

「私に…?」

ドクンと自分の心臓の音が聞こえた気がした

海堂「ああ、男に惚れたと思ってたから言えなかったけどな」

そう言われ、急に距離が近いなと思う

私も海堂も、一歩も動いていないのに

どうしてこんなに顔が近いと思うんだろう

それと同時に、海堂の気持ちが自分に向いているとわかり嬉しさが増す

「海堂…」

そう名を呼ぶと彼の肩がぴくりと跳ねた

お互いきっと顔が赤いんだろう

蛍の光だけではよく見えないけど

海堂「俺はお前が好きだ。桃城にも立海にもくれてやるつもりはねえ」

強い目で囚われ私は脳内がくらりとする

私の手に触れていた彼の手が、きゅっと握りしめてきて

聞こえてしまうんではないかと思うくらい、私の鼓動は大きく鳴り響いた

「立海に行くつもりなんてない。桃の事は友達だと思ってる。

私は海堂の傍にいたい。海堂が好きだよ」

それを証明するかのように、私は彼を抱きしめた

腰に手を回し両手でぎゅっと抱きしめた

彼は暫く硬直していたが、やがて強く抱きしめ返してくれた

「同じ気持ちだなんて思ってもみなかった…」

彼の胸の中で、照れながらそう言えば

より一層強く抱きしめられ、“ああ”と小さく聞こえた

「私、青学にいる間は男でいるから…皆には内緒だね」

上を向いて彼の顔を見ながら言うと、彼は照れたように

海堂「バラす必要なんて元々ねえよ」

そう言われてしまった

「確かに」

ははっと笑いながら言うと彼の左手が背中から離れた

不思議に思うと同時に、自分の顎がくいっと持ち上がった

そして、彼の顔が近づくと私は意図を汲み取り目を瞑った

後頭部が、彼の手で固定された感覚がしたあと

私達は初めてのキスを交わした
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