第2章 助けて下さい、月山さん。
「道理で旨いはずダ...!」
感動した様に彼はべちゃべちゃと僕の顔を舐め回す。気持ち悪い、気持ち悪い!離れろ、離れて誰か助けて。思わず眼を瞑るも舌先で瞼を持ち上げられる。赤くなった眼球を舐められ、ぞわりと寒気と吐き気が込み上げた。
「やめ、ろっ...!離せっ...!」
彼等の前では僕の力は赤子の様で。でも、無駄だと分かっていても暴れてしまう。その間も彼は楽しそうに僕を舌でなぶっていた。しかし飽きたのか突然体が床に叩き付けられた。
「いっ...た...ぁ...」
痛む体を起こそうとした時、男が僕に馬乗りになって覆い被さってきた。ぺろっ、と今度は首筋を舐められる。
「んっ...」
少し前までと違い優しい舌の動きにぴくっと肩が跳ねた。同時に微かだが喘ぎ声にも似た、鼻に抜ける様な声が出た。こんなの可笑しい。慌てて口を押さえようとした手は男に捕らえられ、頭の上で固定された。彼は僕の制服を脱がし、露出した肌を直接舐めてきた。
「やっ...っぅ、やめろっ...ぁ、やめっ...!」
くすぐったくて、体が痺れる。何だこれは。信じたくない。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い...気持ち、良い...?