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《繰繰れ!コックリさん》24時間養えますか?

第2章 きっかけは甘い香りと共に。


胸をはる信楽。
白い視線を向ける二人。
まあ、安定ですよね、うん。

「…で。今日はどうしたんだ?
っていうか、どうして家を知ってるんだ?」

首をかしげるコックリさんに

「もっちろん、おじさんが
住所のメモを渡しておいたんだぜっ☆」

キラリ☆
得意げな信楽さんです。

「お前なー…」

「あ、いえ!私が下さいとお願いしたんです!」

「え!?あんたが!?」

信楽へとツッコもうとしたコックリさんに
投げかけられた予想外の言葉。
桜香は頷いて

「はい。あれだけご馳走になっておいて
何もお礼をしないのも申し訳なくて…。
後日お礼に伺いたくて、住所を伺ったんです。
勝手なことして、申し訳ありません。」

包みを手に、深々と頭を下げた。

「あ、いや、別に謝られるような事じゃない
というか、そんなわざわざお礼なんて…。」

「まー、まー!いいから、とりあえず上がってきな。
狐、客に茶の一杯も出さないわけにはいかねーだろ?」

桜香の後頭部を眼下に、しどろもどろな
コックリさんの言葉を遮るようにして
割って入る信楽。

「そ、そうだな。上がってってくれよ!
俺は準備をしてくるから。」

お茶菓子なんかあったかな、などと
つぶやきながら、急な来客に慌てるお母さん。
台所へGoです。
それを見送ると

「ほら、頭上げろって。
問題あるって思えば、おじさんだって教えないぜ?
茶の一杯でも飲んでけよ。な?」

桜香の頭を軽くポンポンとたたいて

「そんな、これ以上お世話になるわけには…」

「いいから、いいから。
ほれ、なんならおじさん…
俺が靴を脱がせてあげましょうか、シンデレラ?」

ふるふると首を振る桜香へと、
さっとひざまずいて悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「い、いいいいいです!自分で脱ぎます!!」

と、身の危険を感じたのか桜香は
くるりと振り向くと、三和土で靴を脱ぎ

「お、お邪魔、します…。」

おどおど、といった様子で廊下へと足を下ろした。

「いらっしゃい、ってか。
そんなびくびくしなくていいから、
普通に上がれって。」

そんな様子の桜香の手を取り
茶の間へと誘導する信楽。
エスコートはお手の物です。
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