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《繰繰れ!コックリさん》24時間養えますか?

第1章 出会いは春の風と共に。


そんなこんなで、粗方料理も片付いた頃。

「ご馳走様でした!」

「お粗末様でした。」

皆で手を合わせれば、お開きの合図。
一斉に片づけをすれば、宴会の後は
あっという間に綺麗になり。

「今日は、本当にご馳走様でした。
突然お邪魔してしまって、すみません。
お蔭で、とっても美味しかったし、楽しかったです。」

コックリさん達へと頭を下げる桜香。

「いや、こっちもお蔭で楽しかったよ。
料理も喜んでもらえたみたいで良かった。」

すっかり軽くなった重箱をもって
ホクホク顔のコックリさん。

「あんなに幸せそうに食べる方は
初めて見ました。
まったく、普段は何を食べているのかと
不思議になりますね。」

「コックリさんが拗ねなくてよかったのです。」

不思議な生き物を見る目で桜香を見る
狗神と、面倒くさい事大嫌いなこひなさんです。

「じゃあな。」

信楽は、ニッ、と笑って。

そんな面々に再び深々と頭を下げると
荷物を手に歩いていく桜香。

その背をしばし見送り、誰ともなく歩き出す。

「さーて、夕飯の買い物どうすっかなー。
一度帰ってっていうのも面倒だけど、
コレ持って歩くのもなぁ…」

「別に持って歩いて、狐殿の腕や指が
引きちぎれようと私たちは全然構いませんが。」

「狗神、荷物持ち決定な。」

どす黒く輝いた笑みを狗神へと向け、

「信楽、お前もだぞ。」

全員荷物持ち決定です。

「まったく、理不尽な事この上ありませんね。」

「んっとだよなー。
俺なんて、場所取りまでしたんだぜ?」

「文句言うやつは、夕飯抜き!」

ぎゃあぎゃあ騒ぎながら帰る一行の姿を
歩いて行った桜香が振り返り
見ていたのは誰も気付かなかった…。
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