第8章 お酒の誘惑
そっか、知らない人がほとんどなんだね。
「すばるくんが紹介するのって、珍しいって思ってたんだよな。
ほら、すばるくん歌上手いやん?
だから、基準が高いから」
「私も、始めは凄くびっくりしましたよ」
「なんて言われて勧誘されたか聞いてもええ?」
「良いですよ。
こんなところで歌ってへんと、俺と一緒に来ぇへんか?って言われたんです」
関西弁に慣れてないから、ちょっとぎこちない。
「え、なんの説明もなしに?
怪しいとは思わへんかったん?」
「思いましたよ。
最初渋ってたんですけど。
お前の歌には人を惹きつける歌がある、それを伸ばしてみぃひんか?
って言われて…」
「あー、それなら分かるかも。
すばるくんに言われたら嬉しいよなぁ」
「はい」
「歌手目指してたん?」
「まぁ、恥ずかしながら…」
「全然恥ずかしくなんかあらへんよ」