第8章 お酒の誘惑
「ふぅ、ご馳走様でした。
美味しかったー」
「ご馳走様でした、とても美味しかったです。
大倉さんが紹介するだけありますね!」
自然と、笑顔にしてくれるお店。
料理を届けてくれる以外は、店員さんも入って来ない。
って、それは個室だからなのかな?
個室とかあまり入ったことないから、分かんないや。
「食べ終わったことやし、ちょっとのんびりせぇへん?」
「あ、良いですね。それ」
食べ終わってすぐ、ってなんだか動きたくない。
「じゃあ、ゆる〜く話さへん?
俺せかせかすんの苦手やし」
「ですね、私も食後はのんびりしたいです」
「花音ちゃんが俺と似たタイプで良かった。
花音ちゃんって、なんか楽器やったりするん?」
「ギターを少し…」
「え、そうなん?」
「はい、この仕事に就くまでは路上ライブしてたんですよ。
こう見えて」
「へぇー、そうなん?
すばるくんが連れて来たとは聞いたけど、そうやったんやな」
「はい」