第1章 ただいま、池袋
「あぁ、ビルがっ!!人がいる!!」
「うるさいめぐ」
私―鈴風愛実がこんなにはしゃいでいるのは7年ぶりの故郷、池袋へと戻ってきたからである。
そんな私を呆れたように見るのはこれまた7年ぶりに再会した友人の板倉椿。
今年から彼女とは同じ高校に通うのだ。
テンションが上がるのも仕方ない。
視界のはしには私とおなじく田舎から出てきたであろう少年が挙動不審…というか慣れない空気におどおどしているがみえる。
久しぶりの都会の空気を吸いながら7年前の記憶を探り、思いを馳せる。
「臨也さんに…会えるかな」