第8章 7人目❤化学 カインセンセー
「…見惚れてる場合じゃねえ。まず問題だ。
化学は3種類に分かれてるな?」
偉そうに長い脚を組んで、ぶっきらぼうにあたしに問う。
(な…何なのよ)
「そ…それ位分かります!えっと…無機…」
しかしそれを見事に遮られ
「山頂で低い温度で沸騰するのは、蒸気圧が低いからだ。この問題はどれに属する?」
と睨まれた。
「…有機?嫌…違いますね?ははっ…」
更に恐い顔をされ、あたしは直ぐに撤回した。すると…
「…決めた。今からあそこでお前を抱く。」
とセンセーは突然長い指で指し示した。
「へ?…」
指の先を確認すると…
「ジェットコースター!?」
「バカ、そっちじゃねえ。こっちだ」
センセーに頭をコツかれたと思ったら、
いきなり手を握られた。
どきっと鼓動が跳ねる。
「来い」
身勝手に連れていかれたのは、遊園地に隣接するホテルだった。
テーマパーク仕様で、内装も家具も凝っていてすごくオシャレ。
「このホテル、おとぎの国みたい…」
ホテルの部屋から園内を見下ろしていると、ちょうど花火が打ち上げられた。
ヒューン、ドン!
「こういうのも悪くねえだろ」
すると、あたしはカインセンセーに抱きしめられた。