第8章 7人目❤化学 カインセンセー
渡されたメットを被り難そうにしていると
「…かせっ」
とぶっきらぼうに、あたしからメットを取り上げた。
そして荒々しく被せてくれて、ボンッと一発頭を叩かれた。
「早く乗れ」
とセンセーが背を向ける。
あたしは後ろに跨ると、センセーの背中にしがみついた。
「…お前…落ちたいのか?」
とセンセーはあたしの両腕を掴むと、自分に巻きつける様にしがみつかせる。
「手…絶対離すなよ。」
あたしは窮屈なメットの中で、コクリと頷いた。
と同時に急に走り出し、あたしは後からセンセーを睨んでいた。
いったいどこに連れていかれるのかと思っていたけど、
辿り着いたのは、まさかの遊園地だった。
夕時から夜に変わる時間帯の遊園地は、イルミネーションが灯されて幻想的だった。
「課外授業って聞いたのに、なんで遊園地!?」
驚いてあたしは素っ頓狂な声をあげた。
「ノアのヤツがくれた」
チケットをひらひらさせて、カインセンセーは入場口を突っ切って行く。
閉園時間が近い園内は、あまりお客さんがいない。
「本気で入るんですか?」
「お前、遊園地嫌いなのかよ?」
「そういうわけじゃ…」