第5章 4人目♥地理 クロードセンセー
触れるだけの軽いキスが終わると、
「家の電話番号は?」
とセンセーは、ポケットから携帯を取り出し微笑む。
「へ?」
突然の事に変な返事をしてしまった。
「…帰すのが遅くなりそうだ。俺が話した方が安心するだろ?」
とセンセーはあたしの家に電話をした。
電話は直ぐに終わった。
「母ですよね?…クロードセンセーのファンだから喜んでたでしょ?」
とニヤける母の顔を思い浮かべ聞いた。
「ああ。どうぞお好きになさって下さいって。お前…なかなか愛されてるな。」
とセンセーは吹き出していた。
(…母め…覚えてろよ。)
それからあたしは再びセンセーの車に乗せられて、
セレブが使ってそうな超高級ホテルに連れて行かれた。
高層ビルの上層階にあるスイートルーム。
(うそ…)
間接照明の淡い光の下で、
クロードセンセーは映画俳優みたいに完璧なエスコートを決めて、あたしをソファに座らせてくれた。
「さっき俺が言った言葉を覚えてるか?」
「…単位のことですよね?」
「ああ、セックスなんてただの軽い運動だからな。その程度で単位はやれない」
「じゃ、どうしたら?」
「そうだなーーー俺のことをお前が本気にさせてみろ、緖知里」