第5章 4人目♥地理 クロードセンセー
クロードセンセーがいた。
「緖知里…お前は少し…嫌…だいぶ勉強不足のようだ。」
と腕組みをしたセンセーはあたしに微笑む。
(…だから身体売ってんじゃんって…あたしは売女か!!)
ちょっと不服そうな顔をした事が気に食わなかったようで、
「砂漠化の主な原因は?地中海性気候の特徴は?北欧や西欧が緯度が高いわりに温暖な気候である理由は?」
と捲し立てられた。
(…こ…答えられぬ…)
ひきつったあたしを見てセンセーは優しく微笑むと、
「…明日放課後俺の車まで来い。」
と頭をクシャッとして去って行った。
翌日、あたしは休み時間中に地理の教科書とにらめっこしてた。
(さすがに、何も答えられないのは悔しい)
クロードセンセーがあたしのためにスマートな課外授業(?)してくれるなら、
少しは予習したほうがいいかなと思った。
でも、地理の才能がないのか頭にあんまり入らなかった。
放課後になって駐車場まで歩いて行くと、
外車のスポーツカーがいくつも並んでた。
(ここのセンセーたち…セレブか!?)
「クロードセンセーの車は…」
「俺の愛車はこっちだよ」
不意に誰かに手を引かれた。