第3章 2人目♥物理 アルバートセンセー
「媚薬…ですか?」
あたしはピンとこず、小首を傾げた。
「…広義には…性欲を促進させる薬…またの名を惚れ薬とも言う。分かったぁ?」
ユーリセンセーはセンセーらしく答えると、満面の笑みを浮かべていた。
「…それが何か?」
とあたしが言った時、アルバートセンセーが変な声を漏らした。
「…んぐっ!!…くふっ」
それを見たユーリセンセーが、
「気分はどお?さっきのお茶…美味しかった?」
と悪戯に微笑んだ。
アルバートセンセーは、
「貴様…んっ…ふぅっ…」
と口元を押さえ悶えていた。
「吐き出しても無駄だよ、それちょー即効性だから♪」
「っく…ユーリ、そこをどけ」
部屋を出ようとするアルバートセンセーの顔は、
うっすら赤みを帯びてて、
どこか切なそうに眉を寄せてた。
(これ、効いてるってこと!?)
すると、
「ああ、だめだめ。アルはこっちでしょ!」
そう言って、ユーリセンセーはアルバートセンセーの背中を
ドンッ、と勢いよく押した。
「おい、貴様…っ」
バランスを崩したアルバートセンセーが、
「――えっ!?」
私を巻き込んで、派手に転んだ。