第4章 ※※※※
「違わない」
「…違う」
「…もう。
でも、才蔵さんに嫉妬させるくらい
仲良くしてしまってごめんなさい。
久しぶりに彦兄ぃに会えて嬉しかったのは本当です。
でも…機嫌をなおしてください。
才蔵さんならわかってらっしゃるとは思うけど。
彦兄ぃとは全然何にもないんです。
そろそろお金も貯まってきたし
二〜三日後には京にたつって言ってましたし。」
何でこんなことで私が謝らなきゃいけないのかな、
とは思ったけど。
才蔵さんに早く機嫌を直して欲しくて
自分が折れることにした。
「何、その何もかも悟ったような上からな物言い」
「才蔵さんたら…。
だから…、ごめんなさい。
どうしたら許してもらえますか?」
まるで子供だ。
いつもは必要以上に冷静なくせに。
一度ひねくれるとかなりめんどくさそう、
とは思ってたけど。
そんなに私は彦兄ぃと仲良くしてたのかな。
自分じゃよく分からないけど。