第2章 澤村大地 『君ありての幸福』
少し空いてる体育館から、
練習の様子が見えてちょっとドキドキする。
もうちょっと近付いたらもっと見れるかも…
ドーン
あ…前見てなかった(笑)
思いっきり扉に頭ぶつけました…はい。
「すいれんちゃん大丈夫⁉︎
すごい音したよ⁉︎」
「菅原先輩…な、なんとか大丈夫です!
ご心配かけてすみません!」
心配して頭を撫でてくれる…優しいなぁ…。
うぅ…穴があるなら入りたい…。
「もう練習終わりだから呼んであげるよ!
大地〜お迎え来てくれてるぞ〜!」
「おお!すいれんお待たせ!
ちょっと待ってな!」
明日のミーティングを済ませて、
急いで着替えてあたしの所に来てくれる。
「お疲れ様!もうすぐ練習試合だっけ?」
「そうなんだよ!
先生が強豪校との試合を取り付けてくれて!
ずっと戦いたい学校だったから、
練習遅くなって待たせてごめんな?」
あたしの頭をぐしゃぐしゃに撫でる。
不器用なそれ…
あたし嫌いじゃないよ。