第2章 澤村大地 『君ありての幸福』
友達と放課後の教室で
他愛もない話をする。
好きなアイドルの話とか、面白かったテレビの話とか
恋の話とか。
日も傾いて来た時、
「すいれんはまた寄るんでしょ?
うちら先帰ってるよ!また明日ね〜」
手を振る友達を見送ってあたしは歩きだす。
自販機でジュースを買って
体育館の近くで待つのがいつからか
あたしの日課になってる。
グラウンドから野球部の声が聞こえてくる。
青春してるなぁ…とか思っちゃうあたしは、
まだ高1なんだけどね(笑)
あたしは体育館の中が気になる。
少しずつ近づくと、
ボールを弾く音が
部員のみんなの声が
楽しそうに聞こえる。
あたしも仲間に入りたいな…。
ちょっと男の子に生まれたかったなって思う瞬間かも