第1章 日向翔陽 『あたしも。俺も。』
俺があまりに名前を上手く呼べないものだから、
先輩はずっと笑ってた。
「ごめんごめん…あんまり照れるからつい意地悪したくなっちゃって…。
助けてくれてありがとう。」
「でも遅れたせいで怖い思いさせてごめんなさい。
もう絶対遅れないようにします!!」
俺から手を繋ぐと
先輩が小さく頷いた。
雪道を歩きながら、
2つの影が並んでるのを見て安心した。
ずっと…一緒にいられればいいのに。
「もう新体制での練習試合始まったでしょ!
今度応援に行くからね!」
「オッス!!
でも相変わらず影山が鬼のように怒ってて!」
なんか想像ついちゃうな〜
って笑ってて。
でもその時
もう先輩は学校にいないんだ。