第5章 及川・菅原・月島 『そうだ!夏祭りに行こう!!』
「ねぇ…すいれん。
俺もっと一緒に居たいよ。
だから、もっと俺を頼って欲しい。
君を傷付けられる前に守りたいから、
だから我慢しないで?
一緒に乗り越えたいんだよ」
「あたしなんかでいいのかな…。
及川くんの横にいるの…。」
あんまり自信なさ気に言うもんだから、
少し意地悪したくなったんだ。
「んん?及川くんって誰?知らないなぁ〜。
昔は名前で呼んでくれてたのになぁ…。ひどいなぁ…」
「えっ⁉︎あれは…小さかったからだもん!
今更恥ずかしいからっ!」
綿あめをパクパク食べて、
はぐらかそうとするから…
追い討ちですよ♪
口の端についたままの綿あめを舐め取ると…。
これは予想外だった…。及川さん痛恨の一撃…
これはベホイミでも全快するかどうか(笑)
そんなに可愛い声で鳴くんだもん。
もう知らないからね…?
ゆっくり境内にすいれんを押し倒す。
「及川くん…ダメだよ…。
人が来ちゃう…」
「ここに人が来ない事…
一番知ってるのはすいれんだよね?」
浴衣で顔を隠して小さく
「もう知らない…バカ…」
と言う君と
花火の下でそっとぬくもりを確かめ合う。
星が綺麗だな…。
次は徹って呼んでくれたらいいな。
今年の夏祭りは、
ずっと忘れないと思ったよ。
おしまい