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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第36章 ナナシの遺したもの












「ナナシが死んだのは本当だ。その遺体は砂のように崩れ
跡形もなく無くなってしまった。だが・・・・」


そこでエルヴィンは一呼吸置いて、ナナシが自分に語った事を
皆に伝えた。



死ぬのは肉体であって、新しい身体を得られれば、
また戻って来られるかもしれない事。

いつ戻れるかわからないが『心臓』はエルヴィンに預けたままなので、
また取りに来ると約束した事。


・・・などを告げると、一同は呆然と固まった。


当然の反応だ。
普通そんな事が出来るはずがない。


だが、エルヴィンはナナシが嘘を吐くとは考えていないし、
彼の言葉を信じた。

少しすると、他の四人もエルヴィン同様、ナナシが嘘を吐くとは
考えなかったらしく、歓喜の声を上げた。


「よっしゃああっ!!じゃあ、ナナシはまだ完全に
死んだ訳じゃないんだねっ!?もしかしたら、
また会えるかもしれないって事だよねっ!?」

「ナナシとまたお菓子作りしたいなぁ。料理とかも教わりたいし・・・」


ハンジはピョンピョン跳ねながら叫び、
ナナバは涙を拭い口許に笑みを浮かべた。

例えそれが嘘でも希望が持てる。
それだけでも充分だった。




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