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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第15章 契約の穴











「まさか、ミケに可愛いあそこを弄ばれ体調を崩し・・・」

「変な言い方をするな、変態。確かに痛かったが、
それはもう大事ない」


真顔でセクハラ発言をしてきたエルヴィンを遮り、
いつもの調子で返すと、彼は心底安心したように表情を和らげ
「良かった」と呟いた。


「今日はちゃんと私と話をしてくれるんだね、嬉しいよ」


昨日は碌に目も合わせてくれなかったから、と言われ、
ナナシはグッと言葉に詰まる。

エルヴィンの強い蒼眼を見てしまったら弱腰になってしまうと
視線をずらしていたのがバレていたらしい。


「昨日もちゃんと話していたが、お主が途中から
変な事を抜かし始めたのだ・・・」

「変な事?私は君に愛の告白をしていただけだが?」

「―――・・・そっ、そういうのはもうやめろ!・・・・・・イライラする」

「・・・イライラ?」


理解できないという顔をされ、ナナシはまた言葉に詰まったが、
すぐ気を取り直すと本題に入る。


「いい加減、そこから出ろ。部下が混乱し始めておる。
何故団長は地下牢に閉じこもっているのか、と」

「私を許してくれたのか?ナナシ」

「・・・・・・・・・許せるはずなかろう」

「では、ここから出る訳にはいかないな」

「子供のような駄々を捏ねるな!私の許しがあろうと無かろうと
関係無い癖に、私を試すような真似はよせ!」


叫ぶと、エルヴィンの口許が綺麗な弧を描き、
その蒼眼にゾクリとするような光が宿った。






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