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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第2章 赤い世界に射し込む蒼色











これ以上押し問答していてもしょうがないと判断したツクモは、
ナナシを義体が修理されている部屋へ案内することにした。


その部屋は地下にあり、ナナシの義体は水槽のようなものに
容れられていた。

見慣れた自分の身体を見て、ナナシは損傷具合に眉を顰める。



先程ツクモが言った『核』とは、人間でいう心臓のようなもので、
それに罅が入ったとなると生命維持が難しいという事だった。


「『核』のスペアは?」

「あるっちゃあるけど、身体と慣れるのに時間がかかるで?」

「それでも罅が入ったものよりはマシだ。スペアと交換する」

「はいな」


ナナシは作業をしながら、ツクモにエルヴィンが
ソロモンの孫だった事などを告げ、
どうすれば良いのかわからないのだと本音を吐露すると、
今まで黙ってナナシの話を聞いていたツクモが、
うーん・・・と唸りナナシに尋ねる。


「ナッちゃんは、どうしたいん?」

「・・・え?」

「今まで色々あったし、ナッちゃんが尻込みする気持ちもようわかるよ。
でも、そういう過去の事とか無しにして、なっちゃん自身は
どうしたいのかな?って思って・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「人生は一度きりやで?まして人間なんぞは100年生きれるか
どうかくらいの寿命しか無いねん。団長さんが今まで
不幸かどうかだったかなんか知らへん。俺はナッちゃんが
そこまで団長さん達に気ぃ使うこと無いと思うんやけどなぁ」






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