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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第15章 ◆狐ノ嫁入




「し、しかし!

饗は儀式が終わってからですぞ!

まずは、儀式が優先で御座います!」



まるで、煩い世話役のように

手を振り声を上げ

みんなを見上げる子狐妖に

夏目もさなもふわりと微笑んだ。



「ありがとう。

子狐妖の言う通り儀式が先だ、ニャンコ先生。」


「ええ、そうですね。」


子狐妖の言葉に微笑む夏目とさなが

夏目の肩に落ち着くニャンコ先生へと

視線を向けた。



「・・・ふん、仕方ない。」



夏目とさな、二人からの優しい視線に

ツンとそっぽを向くニャンコ先生だったが

その言葉は反論ではなく同意だった。




「ふぅ・・・では、


夏目様、さな様と日照雨様の

対面も終わりましたので

早速、儀式へと参ります。


宜しいですね、日照雨様。」




ニャンコ先生が落ち着いたところで

子狐妖が仕切り直しと言わんばかりに

コホンと咳を鳴らし、

声のトーンを切り替えた。



「あぁ、頼みます。」




許可を得るべく子狐妖の振った言葉に

日照雨様が快く頷き肯定する。



「・・・それでは、

夏目様、さな様、達磨狸様、


このまま列を正した後

外へ出て頂き雨乞いの儀式となります。」



「儀式って、何をするの?」



子狐妖が夏目とさなに振り返れば

さなが小さく疑問を投げ掛けた。




「はい、

最高端にあります社まで列を乱す事無く歩き

社では樽に溜まった水がありますので

一滴残らず日照雨様とさな様が

外へと撒いて頂くのです。


海雲下の地へと送り届けるお役目に御座います。



列ですが、先頭を我々子狐が歩き

その後ろを日照雨様、さな様。

真後ろに日照雨様の世話役、

そしてさな様の世話役、夏目様ですね。

このような順に並び歩いて頂きます。






・・・。」




一頻り説明を終えた子狐妖が辺りを見渡して

ハッと視線を止めるその先



「おい、私は何処に並ぶのだ。」




「だ、達磨狸様・・・」





一際目立つ、リボンの格好のニャンコ先生だった。




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