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マギ 〜夜宴〜

第1章 「お前が悪りぃ」 ジュダル 裏



シュッ シュッ



「ふぅ、今日はこんなものかなぁ」


剣の修行に一息ついた私は、部屋に戻る準備をしていた。 紅の髪から滴り落ちる汗を布で拭きつつ、歩きはじめた。

ちょうど、紅炎様のお部屋の前を通り過ぎた曲がりかどでジュダルと会った。


「ん?さくらかよ」


「ムッ!さくらかよ…とは何ですかっ⁉︎」

「そのまんまだよ、ババア」

「ぅっ、黒髪氷バカっ!」

「んだと?この ババアっ」

これが普通の会話。そう、普通のー。

初めの頃こそ慣れなかったが、今では当たり前の会話になっていた。

「…っ、し、失礼します!」

とにかく。その場から逃げようと走りだしたが、腕を掴まれ、引き戻された。そのまま、壁に押し付けられる。

「ちょ!黒髪氷バカっ、」

「へぇー?そんな口聞くんだな?」

「え……」

ジュダルの、からかうようで、冷たい視線に心臓が跳ねた。 押さえつけられた手に力がこもる。

「イッ、黒髪…じゃなかったジュダル!離して」

「イヤだー」


と言って舌をだすジュダル。 そんな仕草にもドキッとしてしまう自分がいた。

「これから用事が……」

「何の?」

「え? そのぉー」

「ホントは?」

「…っ、無い……です」

本当、ジュダルには敵わないや。 でも、さっきからずっと見つめられたままでー、 体が熱くなっていく。



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