第40章 第39セット
京谷の放ったサーブは澤村が上げたがネットを越え、松川にダイレクトで叩かれた。
京谷が前に落としてくることの無いと考えた烏野は少し後ろに下がった。
読みがあたり、綺麗に上がったボールは日向のスパイクで決まった。
そして日向のサーブ順で
ピンチサーバーとして山口が送り込まれた。
コートのエンドラインに立った時、
和久南戦のあと自分から烏養の元へ行った時の事
嶋田に言われた事を思い出していた。
山口の顔つきには以前の様な緊張や焦りは見られなかった。
インハイ予選の時の様子を知っている者は息を飲みながらサーブが打たれる瞬間を待った。
ドッと放たれたボールは京谷と渡の間を通り過ぎた。
渡「アウト!!!」
ボールは
“コートの内側”へ落ちた。
「ぅ おおっしゃアアアアアア」
「山口いいい」
何も知らない者は“たった一点で大袈裟”だと笑い
知っている者は喜びを噛み締めた。
影から見守る彼女も小さく拳を握り締めた。
月「そんなに驚くことじゃないデショ。」
田「!またお前はそうやっ「この5ヶ月、サーブだけは誰より練習したんだから」