第37章 第36セット
さっきまで敵意剥き出しだった徹も、少しイライラしてたはじめも、察してくれたのかこっちを気にしなくなった。
テーブルにメモを広げ、ペンを走らせた。
《代表のこと、春高予選が終わってから答えだすね。》
それを見た若は、いつもどおり自信に満ちた顔で「本当はすでに答えが出ているんだろう?」
そう言ってきた。
曖昧に笑って誤魔化したけど、多分気づいてる。
“行く”と決めたということを。
話を終えると一気にカフェオレを飲み干し、それが聞きたかっただけだと帰っていった。
その後尋問の様に徹に問い詰められたけど答えなかった。
今はまだ、言うべきではないと思うから。
その後他のバレー部の3年たちも来ては冷やかし、「キャーオイカワサーン」って声を聞いてげんなりして帰っていった。
客足が落ち着き始めた頃、私は男二人組のお客さんに呼ばれて注文を取りに行った。
若の時と同じようにメモを開く。
客「かわいーね?仕事サボって俺らとまわろーよ」
学校でナンパすんなや、、、