第36章 第35セット
ーNO sideー
セット間の休憩中、優たちは作戦を立てていた。
《私MBやってもいい?》
みな優の異名も実力も知っているので、すんなりとOKした。
《あとね、シンクロ攻撃使ってガンガン攻めてこう。》
この時、メンバーには『徹潰す、、、』と言う物騒な声が聞こえた気がしたがスルーした。
試合が始まると女子チームは速攻を使い、男子チームを圧倒した。
中でもブロッカー陣をイラつかせたのは、やはり優だった。
速攻を使いこなし、ブロッカーを嘲笑うかのように点を決める。
優は囮の役割も果たし、1セット目同様サーブでも点を取り、着々と点が重なっていく。
そして女子チームのマッチポイント。
岩泉から打たれたスパイクはなんとか上げられ、優がAクイックに入り打つと思いきや、一旦止まり、もう一段階沈み込んだ後スパイクを打った。
ブロックは最初の段階で跳んでいたので反応できずにいた。
“一人時間差”によって2セット目は女子チームに軍配が上がった。
次で決着が決まる。
しかし、3セット目に突入する直前
岩「優。お前足酷くなってんだろ。もう終わりだ。及川も、オーバーワークだ。」
両チームの主軸不在により、決着のつかぬままお開きになった。