第36章 第35セット
*及川side*
ネットの高さは男子と女子の間くらいにして、サーブ権も譲った。
それくらいのハンデくれてやれよって周りが騒ぐから。
お前らいっぺんやってみろッ!!
サーブ権あげたら絶っっ対優が打つに決まってんじゃん!
反対のコートのエンドラインでボールをつく優。
すごい集中だ、、、。
「一本とるよッ!!」
「「「オォ!!」」」
回転をかけながら高く上げられたボールは、優の手に当たると、“コートのど真ん中”に落ちた。
「ノータッチエース、、、」
それも俺の今のとこのマックスに近いスピード。
みんな呆然としていて、優を見ると妖しく微笑んでいた。
まるで、獲れるもんなら獲ってみろとでも言うような目だ。
「あー、ほんっと、煽るの得意だねぇ」
続けて打たれたボールは一本目の様な強打を警戒しすぎて軟打で落とされた。
その後もサーブで5点取られ、やっとアウトになり俺達の攻撃。
優とリベロの子で拾うつもりだ。
女の子にサーブ打つのは気が引けるんだけど仕方ない。どうせなら優の方に打つか。
いつもより少し力を抜いて打つとあっさり拾われ、優のバックアタックに跳んだブロックの裏に軟打で落とされた。
優がこっちを見ている。
岩「んな手緩いサーブ打ってんじゃねーよ。沈めんぞ。
って顔してんな優。」
「、、、、あんのクソ優、、、ぜってぇ負かす。」