第34章 第33セット

タイムアウト後


烏野はスパイクレシーブのフォーメーションを


クロス側に寄せた。


見た感じ身体の向きそのままのクロスにしか打てない。


綺麗に上がったボール。


翔陽が完全に相手の意表をついてスパイクに入ったのに、百沢くんはほんの少し跳んだだけで手が出てしまう。



反撃開始までもうすぐだ。



飛雄が大地くんに何か言ったあと、お腹を空かせた犬のようにワクワクとし始めた翔陽。



あ、くる。



綺麗にセッターに返ったボールは飛雄の手に一瞬だけ触れたあと



既に跳んでいる翔陽の手元に吸い込まれるように飛んでいき、止まった。



相手が気づいた時には、ボールはコートに落ちていた。




静寂の後、歓声が湧いた。






ＩＨ予選では幼鳥だった烏たちが






本格的に空へ飛び立った。








監「､､､恐らく、この予選ダントツの最高身長であろう２０１cm､､､そいつを最も翻弄するのは、１６２cmかもな。」