第33章 第32セット
*及川side*
「懐かしいね、ここ。」
昔三人でよく遊んだところ。
花火がよく見れて、思い出がたくさん詰まった場所。
ねぇ優。
知ってる?
俺、ずっと優が好きだったんだよ?
小さい頃から、ずっと。
お前の目に、俺はどう映ってるんだろうね。
ただの幼馴染みかな。
俺はそんなふうに思ったことないよ。
「優。」
リンゴ飴を舐めながら俺の方を向くお前を、こんなにも愛おしいと感じてしまうのに、幼馴染みでいられるわけがない。
そっと頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めてふにゃっと笑う優にまた愛おしさがつのる。
気を抜いたら抱きしめてしまいそうだ。
ふぅーっと一息ついて優しく君を呼ぶ。
不思議そうに首を傾げて俺を見つめる。
透き通るような瞳に映る俺は、いつになく真剣な表情。
俺こんなキャラだったっけ。
いーや。こいつの為ならキャラなんてくそくらいだ。
ちゃんと聞いてなよ?優。