第32章 第31セット
シュークリーム齧りながら固まってるこいつ。
あー、びっくりしちゃった感じ?
だよなぁ。今の冗談ぽいもんなー。
急いでケータイに文字を打つ優。
「あ、冗談じゃねーよ?」
ビクッと肩を揺らす。
あ、それ打ってた?(笑)
「俺、本気だから。」
ちゃんと、優の目を見ながら真剣に言う。
「ずっと、お前だけを見てた。」
ふっと微笑んで
「嘘だと思うか?」
そう聞くと、優は小さく首を振った。
「そっか。
今日は買い物付き合ってくれてありがとな?」
頷いたのを確認してポンと頭を撫で帰るべと言って荷物を持ち歩道を歩く。
「ごめんな?悩ませちまって」
終始俯きながら優の家の前まで来た。
ほらっと荷物を渡してまた優しく頭を撫でる。
「じゃーな?返事、いつでもいいから」
そっと上げられた顔はどこか切なそうで、告白したことを後悔しそうになり走って帰った。