第31章 第30セット
商店街の天井から吊るされる様々な飾り。
短冊は、学問や書道の上達。
紙衣は、病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴は、家内安全と健康長寿
巾着は、商売繁盛
投網は、豊作、豊漁
屑篭は、清潔と倹約
吹流しは、織姫の織糸
それぞれ色んな意味が込められていて、装飾の審査会まである。
作製体験のブースを見つけて二人で行った。
「優ちゃん上手だな!
それに比べ俺ヘッタクソだぁー」(´・ω・`)
ピシっと折られた優ちゃんの折鶴。
横に並べられた俺の少しヨレた折鶴。
優ちゃんがルンルンしてるからいっかって思えてくる。
最後に短冊にとりかかった。
「優ちゃんは?
どんなお願い書くの?」
少しんーと悩んで悲しげに微笑んだ。
またバレー部のことを思っていたのかな、、、
俺が忘れさせてあげれたらいいのに、、、。
結局優ちゃんが書いたのは
『声が出るようになりますように』
さっき俺が思ったことよりも衝撃的で頭を鈍器で殴られたような感覚に陥った。
俺はバカか。