第31章 第30セット
電車に揺られて少し経ったんだけど、一向に減らない乗客。
なけなしの理性を保つために優ちゃんのほうをあまり見ないようにしてたんだけど、欲望にかられてちらっとだけ見た。
「ッ、、、。」
優ちゃん、、、
なんで?
どこを見てるの?
誰のことを考えてるの?
もっと俺を見て、、、?
「優ちゃん、きつくない?」
そう声をかけるとはっと顔を上げて首を左右に振った。
ありがとうとでも言うようにふにゃっと笑った顔は可愛すぎて腕の力が抜けるかと思った。
«仙台駅〜、仙台駅〜»
「ん!着いたな!行くべ!」
そしてまた手を取り駅を出た。
外は色とりどりの飾りでいっぱいで、
沢山の人がいた。
優ちゃんも笑顔がキラキラしてる。
「楽しい?」
ニコニコしながら頷いてくれる。
うん、かわいい。
俺こんなんで最後までもつかなぁ、、、