第30章 第29セット
その後は若を避け続け練習を進めた。
練習が終わったのは辺りが暗くなり始めた頃だった。
さすが白鳥沢。ハードだねぇ。
さてさて、あたりは暗いわけだが誰か連れてきたい。
これから帰ろうとする天どん。
そばに駆け寄り一緒に帰ろうと伝えると快く了承してくれて、少しだけ感謝した。
いざ帰ろうと靴を履いて立ち上がったら、いきなり後ろから腕を掴まれた。
振り向いた先には、、、若、、、。
牛「俺に送らせてくれ。」
やだ。お願いそんなことしないで。
これ以上、関係を乱したくないのッ、、、
そう目で訴えていたのに
天「いーよ。」
裏切り者ぉぉぉッ!!!!!!
ジドーッと睨むと、私の耳元に口を近づけ、
天「家帰ったら連絡しな?相談乗るから。」ボソッ
それだけ言って「じゃーねん!!」と帰っていった。
少しして若に行くぞって言われて体育館を出た。
もともと口数の少ない若との帰り道はとても静かで、逃げ出したいと思うほどだった。
やっと若が口を開いたと思ったら
牛「俺は、中学の時からお前が好きだった。」
再びの告白で
耳を塞ぎたいと思った。