• テキストサイズ

**ジレンマガール

第4章 悪者ライアー



が慌ててその言葉を否定しようと口を開くと__

バンッ!

勢いよく武器屋の扉が開いて、そこには鬼の形相をしたメリルが立っていた。

「あっ……」

とカーシーが同時に声を漏らす。 メリルはズンズンと足音を立てながらに近づいて来た。

「あ、あの、ごめんなさ……! 私、忘れ物して!」
「その割にはここでくつろいでるように見えるけど?」

メリルはの頭の上に乗せられたカーシーの手を勢いよく払い、の腕を引っ張った。 メリルの肩は揺れ、少し汗をかいている様子から走ってここに来たことが分かる。
は自分がいないことに気づいてくれたメリルに驚いた。

「クソ武器屋。 二度と利用しないからな!」
「ごめんって、メリルくん。 また待ってるから買いに来てよ」
「ふざけんな」

メリルはそのままの腕を引き、店から出た。 は足を縺れさせながらもついていく。

「あ、あの、探してくれたんですか? 私のこと」
「……だってお前連れて帰らないとリーダーに怒られるじゃん」
「すみません、ありがとうございます」

メリルは店から離れたところでの腕を離すと、ずっと持っていた麻袋を両手で抱えた。

「……あの武器屋、余計なこと言ってなかった?」

は内心ギクッとした。
無闇に訊かない方がいいこと、カーシーの声が頭の中を過る。

「特に何も……えと、武器のこと沢山教えてくれました」
「ふーん? それならいいんだけどね」
「はいっ」
「次僕に手間かけさせたら殺すから」

メリルがわざとらしく溜息を吐きながらそう言うとは慌てて首を縦にぶんぶんと振った。
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp