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**ジレンマガール

第2章 悪者トロイメライ


「でもドレスをお尻で敷いちゃったりしたら皺できちゃうし」
「僕のドレスに傷を付けといて今更何言ってんの?」

__明らかに根に持たれている。
は細心の注意を払いながら距離を詰めた。メリルがふん、と鼻で笑う。

「ダッサイ服」

そう言われて何の反論も出来ず、がぎこちなく笑って誤魔化しているとギディオンから声が上がった。

「メリル、その辺にしないと怒るぞ」
「……はーい」

不服そうなメリルは唇を尖らせて足を組む。 その際に踵がの足に当たるもやはりメリルは謝らず黙り込んだ。

「、困ったことがあれば遠慮なく言っていいから。 一人で悩んだりするのは禁止」

アンカトルロッチ郊外を抜けて、車は街を走り始めた。

「あ、はい」
「あと裏切りも禁止。 する気になったら報告すること。 メリルが首を刎ねてくれるから」
「えっ」

何だか色々おかしくて何カ所か突っ込みを入れたい部分もあるが、何せ謎の盗賊集団だ。 これくらいが普通なんだ、と自分に言い聞かせては黙った。

「……一番大事なのは仲間を大切に。 喧嘩はしてもいいけど、仲間同士の殺し合いは禁止」

ミラー越しにギディオンと目が合った。 その目はどこか深くて触れられないものを抱えている暗い瞳が埋め込まれている。
は慌てて視線を伏せた。

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