第17章 運命の王子さま?
椅子に座って涼くんを待っていると。
「おひめさま。」
小さな声が、聞こえたような?
振り向いてみると、小さな女の子が
私をじーっと見つめていた。
う~ん。4歳くらい?かな?
とりあえず。話しかけてみようかな。
迷子かもしれないから。
『どうしたのかな?誰か、探してるの?』
「ううん、違うよ。ほのか、ね。おひめさまとね、お話したかった、から。」
お姫様って、これは・・・。
うーん。完璧に。私のこと?なんだよねぇ。
小さい子の夢は、守らなきゃ、だよね。
少し、会話をしてみて考えようかな。
『お名前、ほのかちゃんって、言うのかな?可愛い名前だね~。』
「うん!そうだよ~。お姫様は、なんて、おなまえ?」
『私の名前は、優希って言うの。』
「ゆうき、ひめ??う~ん。」
『ふふっ。好きに呼んでくれていいよ?』
「じゃあ、ゆうきちゃんでも、いい?」
『うん。いいよ~。』
「ゆうきちゃんね、私の大好きな絵本に
でてくるお姫様にそっくりなの!!」
『そうなの?どんなお話かな?』
「えっとね、王子様とお姫様が出てくるお話だよ。うんめいの、恋するの!
あと、う~んと。毒リンゴを悪い魔女に食べさせられて。だけど、王子様のキスで
助かるんだよぉ~。」
『白雪姫かな?ほのかちゃんは、白雪姫が
一番好きなの?』
「うん!白雪姫はね、髪が黒くって、色が
白い、可愛いお姫様なんだよ~。
ね♪ゆうきちゃん、みたいでしょ?」
『あはは。ありがと~。』
これは、返事に困るわね・・・。
照れくさいし。
なんて、思っていたら。
「あのね。ゆうきちゃんは、会えた?」
『え~っと、誰にかな?』
「王子さま。」
『王子、さま?』
「ママがね、女の子には、み~んな、
いるんだって、言ってた。
うんめいの、王子様。ママにはパパがいて。
ほのかは、まだ会えてないんだけど。
ゆうきちゃんは?」
想定外のものが、きちゃった~っ。
ど~しよう。王子様、か。
あ・・・。
『お姉ちゃんはね。
心の優しい王子様に出会えた、かな。』