第10章 舞踏会のパートナー
このプリクラまさか他のヤツにみせたり、
してないよな?
黄瀬「ね、優希っち。このプリクラ、他にも
誰かに見せたりしたんっスか?」
『あ、う~ん。見せたというか。見られちゃった。』
黄瀬「どういう事っスか~?」
『さつきちゃんが、朝、バスケ部の部室で
プリクラを落としたみたい。
それ、拾ったのが部員の灰崎くんって人で。だから一年生の一軍の人には、見られてるみたいなんだ~。』
黄瀬「は、灰崎って!灰崎省吾っスか?」
『知り合いなの?』
黄瀬「違うっスよ!灰崎に会ったの?」
『昼休みにバスケ部員の子達と食堂にいるときに、来たんだよ。
なぜか、皆なが灰崎くんに気をつけろって
言うんだよね。
征くんなんて、合わせたくなかったみたい
だったし。』
その気持ちは、すごく分かる。
誰だって、自分の好きな人を危険そうな
人物になんて近づけたくない。
毒牙になんてかかって欲しくない。
黄瀬「いい噂は聞かないやつだから。
俺も、あんまり良い印象は持ってないっスね。皆も、心配してるんだと思う。もちろん、俺も含めてね。」
『うん。ありがとう。警戒心が足らないん
だって、周りからよく怒られるんだ。自分の身くらいは、自分で守らないとね。』
黄瀬「うん。泣き顔は、見たくないっスからね。俺は、優希っちの笑顔が大好きなんスから。」
『うんっ!笑顔が一番だよね♪
あ、涼くん、あそこに見えてるマンションが
私の住んでるとこなんだぁ。』
黄瀬「わぁ。いいとこっすね。
何階に部屋があるんスか?」
『最上階にあるんだけどね。一人で、暮らすには広すぎてね~。なんか寂しい感じするよ。』
黄瀬「最上階なんっスか!見晴らしがいいんだろうなぁ~。」
『特にね、夜景がね綺麗なんだよ~!』
黄瀬「それは、ぜひ見てみたいっスね。
今度、写メで送って欲しいっス!」
『了解!腕に自信はないけど写メ送るね。』
いつの日か、優希っちの家に遊びに
行きたいなぁ。
だから、今は、夜景写真で我慢だガマン。