第10章 舞踏会のパートナー
5時間目は、体育の授業だった。
体育は、隣りのクラスと合同で授業がある。
私は、今、さつきちゃんと一緒に柔軟運動を
している。
桃井「王子様とは、今日、話した?」
さつきちゃんは、時々、涼くんのことを
王子様なんて言う。
『う~ん。おはようの挨拶くらい?かな。』
桃井「そうなの?二人っきりになる機会なんかないかなぁー。あ~っ。あるじゃん!
重大なことを忘れていた~!!」
『さ、さつきちゃん?」
桃井「この学校ね。毎年、春に音楽祭があるの。その後に、親睦会も兼ねての舞踏会が
あるの!もちろん、美味しい料理も食べれるよ~。」
『舞踏会とか、学校であるんだ。
日本ではないものと、思ってた。』
桃井「私も、最初、知った時は驚いたよ。
たぶん。裕福な家庭の子が多いから。社交界のお勉強ってやつなのかな?
優希ちゃんは、踊れる?」
『マナーの一つとして教わったから、
少しは出来るかな。』
桃井「わぁ。見てみたい!きっと、素敵よ。」
『ねぇ。さつきちゃん、二人っきりと、その
舞踏会になんか関係あるの?』
桃井「大ありよ!舞踏会のパートナーになって貰うのよ~。」
『パートナーに?ダンスを一緒に踊るの?』
桃井「ドレスアップもするんだから。
お姫様気分、味わえちゃうよ?」
『そのドレスは、自分で用意するの?』
桃井「そうだよ。女の子は、ドレスアップす
るのに、大忙しなのよ。」
『春にあるって言ってたけど、それは何月に?』
桃井「5月初旬だよ。確か、ゴールデンウイーク明けにあるわ。」
『もう、一月もないんだ。さつきちゃんは、もうどんなドレスとか決まったの?』
桃井「ドレスは、もう用意できたんだぁ。
髪型どうするか、迷ってるんだよね。」
『私は、これから準備しなきゃだよ。
先生も、教えてくれたらいーのに。』
桃井「私も、早く言えば良かった。
優希ちゃん、ゴメンね。」
『ううん。大丈夫だよ。
今からでも、何とかなるし。』
桃井「そう?まずは、パートナー争奪戦!頑張らなきゃだよ。」
『うん。だけど、涼くん。もう、パートナー
決まってるんじゃ?』
桃井「聞きもしないで、諦めるの?
せっかくのチャンスだよー?」