第2章 新しい始まり
赤司said
入学式から、10日ほど過ぎた今日、転校してくるという、新しいクラスメイト。
なぜ、こんな中途半端な時期にくるのだろうかと不思議に思ってはいたが、正直、どんな子が来ようとも、興味がなかった。
だけど、教室に入ってきた転校生をみて、
俺は、驚きに目を見開いてしまった。
なぜなら、今、自己紹介している彼女は、
俺の大切な幼なじみで、初恋の子だったから。
そして、彼女の席は、俺の隣らしく、彼女がこちらに歩いてくる。
とまっていた時が、再び、動き始めたかのような感覚がしていた。
彼女は、自分の席に着くと、
こちらを向いて
『征くん、久しぶり。今日からまた仲良くしてね♪』
と、笑顔で手を差し出してきた。
俺の大好きな彼女の笑顔。
見ているだけで温かい気持ちになれる。
日だまりみたいな笑顔。
だから、俺も自然と笑顔になり、
「優希。久しぶりだね。こちらこそ、よろしく。」
と、彼女の手をつかみ握手した。