第1章 プロローグ

両親は幼い頃に交通事故で亡くしてしまった

その後は親戚の家に引き取られ暮らしていたが
やはり居心地がいいとは言えず…
高校入学を機に一人暮らしを始めた


ずっと家事の手伝いをしていたこともあって
一人暮らしでも特に困ったことはないし
両親の残してくれたお金が口座にたんまり入っているから生活費の心配もない






「暑い…」





ジリジリとアスファルトから熱気が伝わってくる


8月


真夏のど真ん中



学校は夏休み中なのだが
友達は部活やバイトで忙しくやることがないから
学校の図書館で宿題や読書をするのが日課になっていた

なにより図書館は涼しい

その為、夏休み中であろうとも常に図書館は賑わっていた