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知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。

第5章 キルアと全力疾走しよう!


『ハァ…ハァ…』

部屋に戻り愛莉は床に座り込み、息を整えた。
キルアは全く息切れしていないようだった。

『愛莉って体力ないのな』

『ハァ…怖かった…』

『それにしてもなんだったんだろうな、さっきの』

『思い出させないで…眠れなくなる…』

『わり』

『で、でもキルアがいなかったらどうなっていたことか…ありがとう』

『…別に』

キルアは頬を染めてそっぽを向く。
再び部屋に静寂が満ちた。

『…あのさ』

キルアが抑え気味の声で囁く。

『ん?何?』

『今度、デートしてよ』

『うんいいよー…………ってデート!?』

『か、勘違いすんなよ!!
俺、デートとかした事ねぇから
どんなのかなーって思ってただけで!!
ほら、お前以外、女いねぇし!!』

キルアがかなり早口でまくし立てる。
部屋が暗い為、顔が見えにくいが、
声色からかなり動揺しているのがわかる。

『…いいよ』

『マジかよ!』

『私もデートなんてしたことないんだけどね』

愛莉がえへへと笑う。

『俺さ、今までずっと暗殺の修行ばっかでさ…
外の世界に出たのも最近なんだ…
ゴンだって初めての友達だ』

『そうなんだ…』

『だから今、こんな風にみんなで旅ができて
すっげぇ楽しいし、これから先ももっと
いろんな事知りたいと思ってるよ』

『そっか…私もゴンやキルアや
みんなと出会えて良かったと思ってるよ』

それを聞いてホッとしたような表情をした
キルアはベッドに寝転んだ。

『もう寝ようぜ』

『うん』

愛莉もベッドに寝転がり再び眠りについた。
廊下から聞こえてきた低い男の声が、
宿泊客のいびきだった事になど気付かずに。


続く
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