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FFVII いばらの涙 邂逅譚

第2章 cradle


——5年前 北方調査——

 科学者達が集う。
花の棺に横たえる美しい少女に目を奪われる。海の底からサルベージされた透明の棺は氷のように冷たく、結晶化した花に埋め尽くされ宝石のように眩く光っていた。

「これは……古代種ではないのか?」
「古代種!」

一人の科学者の言葉に一同が騒めく。

「しかし古代種がこんな場所に眠っているなど不自然極まりない」
「いいや、この美しさ……古代種に違いない」

 棺に手を添え、表面に添って撫ぜる。全体がクリスタルのように固まっていて、蓋を開けることが出来ず中の様子がわからない。小さな議論を交わした後科学者達が口を揃えて言った。

「運び出せ」
「丁重にな」

 助手達が一斉に棺を取り囲み、慎重な持ち出し作業が始まった。
決して大人数ではなかった。この森の探索は今回が初めてではなかったからだ。
何故これまで反応のなかった海に突如として現れたのか? この少女は一体何者なのか? この結晶化した花は何地方の種か?多くの謎が科学者達の知識欲を掻き立てた。

「帰社後直ぐにエネルギーの計測、古代種の生死の確認を急いでくれ。」

こうして少女は神羅ビルへ連れ帰られた。
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