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FFVII いばらの涙 邂逅譚

第2章 cradle


 棺全体のエネルギーの測定が終了し、少女の救出作業が始まる。
幸い棺の中は空洞で、少女に傷を付けずに殻を破ることが出来るようであった。

「大発見だ」
「まだ古代種とは……」

 我が子の誕生を待ちわびる父のように鼻を膨らませるのはガスト博士。隣にいる宝条博士は対称的に至極冷静だった。
 少女の棺が発見された場所は、神羅ビルのあるミッドガルから北側の大陸の僻地。普段は誰も近寄らない場所ではあるが、訓練などで他部門の人間が調査に入ることもある。そうであるにもかかわらず、今まで古代種の話など出てこなかった。顔を顰め思考しつつ棺の解体を進めていく。

「開いたぞ」
「少女は?」

測定器を用いて生命エネルギーやウイルスを検査する。

「ウイルスは異常なし、線量も問題ないようですが、生命エネルギーがほとんど感じられませんな」
「なんと。肉体の腐敗はないし、鼓動もしているようだが」
「一種の仮死状態のようなものでしょうかな?」

二人の間に少しの沈黙が走る。

「こんなことが、あり得るか?」
「それを研究するのが我々の使命であると」
「ふむ————」
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