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love songを奏でる日々【短編】

第9章 雨唄



沈黙に耐えかねて、何か話題ないかなって考え始めた頃、急にあいつが「あっ!」なんで声を上げるから思わず見ると、あいつも私のほうをちらりと見てから急に雨の中を走って行ってしまった。

呆気にとられながらも、ふりだしに戻ったなぁとぼんやり考えて本気でどうやって帰ろうか悩み始めることにした。

結論から言って、傘は無い。
よって、このまま走って帰るしかない。
そう覚悟を決めたとき、目の前から傘をさしたあいつが走って戻ってきた。


目の前まできて、
「部室に傘あった」
っと言ってさしていた傘を差し出した。

「え?でも…」

と差し出された傘を見つめながら戸惑うと、

「じゃあ、一緒に入っていく?」

なんの感情もなく業務的に言われた。
少女マンガのような展開なのになんにもロマンチックではなく。




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